行方不明の妻を探す

「行方不明の妻を探す」

その夢の中で私は必死に妻を探していた 妻は数日前から行方がわからなくなっているという設定だった。 大丈夫妻はきっと帰って来る、帰って来る。 夢の中でそう信じていた、否、信じたいと思っていた。 現実の私に妻などいるはずがない 夫なら一人いるけど。 もしかしたら前世の記憶なのだろうか?まさかね。 その夢の中の風景は全て妙になつかしかった。 部屋の片隅にうっすらつもっている綿ぼこりさえも かつてどこかで眺めたことがあったような気がしたのだ。 その夢の中の私の妻はどんな女だったのだろう? なぜに私の元からいなくなってしまったのだろう? 果たして無事に戻ってくるのだろうか? 気がかりなまま目が覚めてしまった。 五月も半ば過ぎたというのに、まだまだ寒い朝だった。